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「珠玉のハーモニーに寄せて」を書くにあたって(その3)


文吾さんのブログ、原動機-文吾のホワイトボード面白いですね~。
土下座したんですってよ。いやはや、ちゃんと聴かないといかんですねぇ。
え?わたし?ラーメン食べになんて行ってませんよ。。。w


さて、平成の最後の10年は…。
まだ、ついこの間過ぎるので、歴史的に客観視するのは難しいのですが(苦笑)
大きな出来事として考えられるのは、やはり東日本大震災でしょう。

「今、歌うことの意味は?」と、だれもが突き付けられたあの時。
合唱することが、かけがえのないものであると認識し直した時期でもありました。
そう、あの時は「苦しいからこそ歌うのだ」
気持ちの面で乗り越えられたのかもしれない。

現在のコロナ禍は、違います。
「苦しいからこそ歌う」という流れが作り出せない。
合唱が人生の拠り所になれない。
この先の見えない状況の重苦しさは、そこから来ているのか…と気づかされます。

令和の合唱を振り返る時に、
現在の状況はどのような影響をもたらしているのでしょうか。

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最後の10年、大きな変化として挙げられるのは「レギュレーションの変更」です。

大学A・B部門の廃止
職場部門の一般部門への統合
一般A部門が室内合唱の部に変更して人数上限が32→24人に
大学部門から大学・ユース合唱の部へ
一般B部門が同声合唱の部・混声合唱の部へ


コンクールの制度として、けっこう激しい変化があったのがこの10年でした。
レギュレーションの変更は当然賛否両論あって、何とも言い難いところがありますが
結果として常連団体だけではない、新しい団体の出場を促した面は見逃せません。

平成20~30年は少し前の話なので、人によって切り口が大きく変わると思われますが
個人的に大きな変化だと感じているのは、「大学・ユースの部の充実」です。
(もちろん一般部門も充実しましたが、充実を超えて「もはや尋常ではない…」という感じw)

全国コンクールの舞台にユース団体(28歳以下)のクオリティの高さには驚かされました。
それに負けず、大学合唱団自体の全体的なクオリティが上がっていると思うのです。
その先駆けなったのは、関西学院グリークラブの全国コンクール再登場と、
都留文科大学合唱団の躍進ではないかと、個人的に感じています。

平成の最後の10年について書けるのは、現時点でこれぐらいでしょうか。
まだ平成が終わって1年少ししか経っていないので
この10年を俯瞰するには、もう少し時間が必要です。

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こうやって平成の30年を振り返ってみると
豊饒な実りをもたらしている日本の合唱の歴史が見えてきます。
といっても、今回のCD「珠玉のハーモニー」に収録できた団体数は少なく
これらは歴史の一断片に過ぎません。
合唱人が作り上げたこの30年は、どれだけ豊かな時間だったのでしょう。


プロローグはこれぐらいにして、少しだけCD選考の舞台裏を。

本当に難しい作業でした。

アレもこれも載せたい!!いや、こっちだろう!!と意見が対立して大変だった…
ざっと挙げただけでもこのCD3倍の候補があって…
と文吾さんがブログに書かれていますが、いやもうそれどころじゃない。
自分のお気に入りなんだけど、バランスの偏りやあまりの候補の多さで言えずに黙っていた…
ってのがいっぱいあったりして、本当に欲望を炸裂させていたら
「CD25枚組」とかになりかねません(苦笑)。

そして、文吾さんの方もだいぶ抑えながらやったのではないかな~。
最後の打ち合わせでは、ほぼ駆け引きみたいな感じになったし(苦笑)。
どっちかが意見を取り下げて…という風にしないと、とてもまとまらなかったのです。


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という事で、次回から収録されたCDの演奏1つずつ、書いていきます。
1団体が複数記事に分かれることもあるはずです。
緻密な取材をもとに書かれた文吾さんと違って、
「全国コンクール出場団体あれやこれやシリーズ」のノリで、
その時代の雰囲気や感じたことなどを、書けるだけ書いていこうと思っています。
久しぶりの長い連載になりそうですが、お付き合いいただけると幸いです。

(つづく)
※次回は 「珠玉のハーモニーVol.6 千葉大学合唱団」です

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Comment

平成最後の10年
編集
 平成最後の10年についてですが、若い団体が次々に台頭してきたこと、レギュレーションの変更がそれを後押ししてきたことは確かに言えると思います。しかもその若い団体がどこもかなりの力量を備えた団体ばかりであることは頼もしいことであり、脅威でもあります。我々の出場している一般部門は、レギュレーションの変更と共にシード団体の縮小(一位のみ)も相まって全国がかなり狭き門となっています。《EST》も最近は3年に1回といったところでしょうか。
2020年09月22日(Tue) 22:07
Re: 平成最後の10年
編集
若い合唱団、若い合唱人の台頭は、昔(わたしが若かったころ)とはずいぶんと違ってる気がします。皆、知識があって経験も豊富だったりする。若いのに…w 昔は、知識も経験もないから、エネルギーをすぐに爆発させてたなぁ(笑)。
そういう合唱団、脅威?といえばそうなのでしょうけど、でもしっかりと育っていただきたいと願っています。なぜなら、20年後の合唱界を担うのは、今の大学生~30代ぐらいの若者たちですから。彼らに未来がかかっています。年長者は、彼らにとっての「良き壁」となるべく、研鑽を積むしかないですね。といっても、わたしは壁じゃなくて敷石みたいになってますが…汗
2020年09月24日(Thu) 01:28












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