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3人の作曲家のそれぞれの想い(その4)


間がずいぶん空いてしまいましたが(汗)、あのコンサートからちょうど1ヶ月経ちました。
かなり前の事だったような気もしますが、ちゃんと書き留めておこう。

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最終ステージで演奏した、松本望さんへの委嘱曲について。
曲名を
「二つの祈りの音楽 ~混声合唱とピアノ連弾のための~」
といいます。

曲が出来上がってきて、松本さんをお招きしての練習での言葉。
宗左近氏の詩を選ぶには、相当の覚悟が必要だったと。
それは、三善先生の交聲詩「海」という名曲の存在があったからだそうです。

まず1曲目「夜ノ祈リ」について。

宗左近氏のペンネームの由来のざっくばらんさと違って(あの話は本当だろうか?)
書かれている詩は、言葉の巨大な塊りが迫ってくる。
まるで、言葉を越えた肉弾のようなものが、読み手を掴んで揺さぶってくるようだ。

松本さんが選ばれた詩も、読むのに一苦労。
それは、漢字&カタカナの詩だったから。
そして詩の内容が、簡単には絶対に説明のつかない人間の矛盾を一瞬で突いてくる。

詩を読んでも、とっさには言葉が出ない。

しかし言葉は我々を逃さない。その矛盾を捉えて読み手に突き付けてくる。

詩を読むのに、本当に苦労しました。
気持ちが折れそうというか。

だが、今回の1曲目はそういう詩に歌が付いてる。。。
強烈な破壊衝動や破滅衝動を、そのまま音にしたような。
歌う時は演奏者自らが修羅となり、まさに修羅の道を駆け抜けていくようだ。


そして2曲目「永遠の光」

この曲は…。
様々な祈りの言葉のモチーフが現われては消えていき、
しかしそれらが大きな環を描きながら1つの大きな祈りへと昇華していく。

わたしは練習録音でしか聴けなかったのだけど
初めて楽譜を音にして全曲を通した時、
合唱団から自然と拍手が沸き起こった。。
それは歌い手自身が、1回目の演奏で自らの歌に感動したという事。
まだ不完全なところだらけなのに、でもそういう仕上がりの次元を越えて
この曲は余りにも素晴らしい…!

この2曲の組曲は、おそらく日本の合唱史に残るであろう作品です。
また、松本さんの代表曲として語られる日も近いはず。

実際にこの組曲の演奏を聞いた人は1000人を超えていませんが、
いつかその音をたくさんの人が耳にする日が来るように
心から願わずにはいられません。

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松本望さんの作曲家としての「凄み」を、存分に感じた初演でした。
この難解なテキストを巨大な構造物として組み上げて
その想いを音に昇華させていく思想と作曲が素晴らしいのは、もう当然で
歌い手、そしておそらくは聴き手の心を一発で掴む。
しかも、聴き手の心を揺さぶるのではなく
それぞれの内面から、
温かな何かが溢れてくるのを止めることができなくなるような作品。。。

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心の中に大きな存在として残る作品に出会えたことに感謝しています。

1ヶ月経っても、3人の作曲家の作品は
わたしの中で絶えることなく、それぞれが光り続けています。

素敵な作品をありがとうございます。


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