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「コンクール出場団体あれやこれや2015」(その23・大阪メールクワィアー)


※本来ならば、次の団体紹介はHIKARI BRILLANTEさんなのですが
  一番最後の紹介順に変えせていただきます
  今まで一度も紹介順を変えた事は無いのですが、ご了承ください



11.大阪メールクワィアー(男声64)
(M1 / 高田三郎 男声合唱組曲「戦旅」 より 「晴夜 / 異郷の雪」)


大阪経済大学グリーとOBを中心に結成された団体、とお聞きします。
OBがグリーの復活に一役買っているという事ですが
やはり大人がどのようなアプローチをするか?ということは
若者たちに大きな影響を与える好例だと思います。

さて須賀先生について。
半年ほど前、須賀先生の指揮で「水のいのち」を歌う機会を得ました。
現代最高の高田作品の理解者の一人である須賀先生のご指導は
高田先生が豊中混声を指揮された時の豊富な知識と経験に裏打ちされた、
作品解釈のとんでもない深さと、高田先生への愛情を感じさせるものでした。

休憩時間に須賀先生とお話をさせていただくと
笑顔の中にも「やっぱりイタイんだよな~」と腕をさすられる時がありました。
わたしにはどうしてもその痛みが、
野武士が持つであろう身体中の刀傷のように感じられてなりませんでした。

また、高田先生の作品解釈の代弁者として指揮するという事は
高田先生のたどられた道筋を、そのまま進まれているという事では?
そうだとすれば、その「刀傷」がまた「伝道者としての道」のようにも感じられて。

そういう強烈な意志によって指揮された演奏は
一つの巨大な音像を組み上げた建築物のようにも感じられました。
歌い手として、これはすごい経験でした。

さて演奏について。
課題曲はM1、バードの3声のミサよりAgnus Dei。
「自らの作品はすべて宗教作品」とおっしゃった高田先生。
その「戦旅」と組み合わせるのであれば、この選択は必然か。

自由曲「戦旅」より「晴夜」「異郷の雪」。
余り演奏されることの無い作品ゆえ、聴いた事が無い人が多いはず。
正確な解説をここに付するため、
今回は2000年に行われた「ひたすらないのち」演奏会のプログラムノートより
引用させていただきます。
(この時「戦旅」が、須賀先生指揮・東海メールクワィアーによって演奏されました)

「この伊藤恵一の3つの詩をテキストとした男声合唱組曲『戦旅』は
 太平洋戦争における一兵士の最前線を転戦する間の体験を
 音楽によって『記録』したものである。
 晴れ渡った夜、的に周囲を取り囲まれた中にあって、
 再び帰る事の出来ぬかも知れぬ故国を思う悲痛な『晴夜』と、
 上官は勿論、戦友すらも知らない密やかな現地での
 病身の女性との逢瀬を歌った『異郷の雪』、
 そして詩人の心の焼き付き、今も決して消えることのない瞬間を描いた
 『自分の目』の3曲で構成されている」

(高田作品の名手たちによる「ひたすらないのち」
 演奏会プログラムノートより引用)

連盟twitterによると、大経大現役学生も
この大阪メールのメンバーの中に入っているという事です。
おそらく、あまり悲惨な戦争の記憶を伝え聞いた事が無い世代だと思いますが
こういう作品を通して知ることの意義を、きっと大阪メールOBの皆さん、
そして須賀先生は大きく感じてらっしゃることだと思います。
きっと若者たちは、その想いを受け取ってくれるはず。

演奏を聴く我々も、しかとそれを受け取りたいものです。

(つづく)

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