TOPMusic ≫ 第70回九州合唱コンクールの感想(その2)

第70回九州合唱コンクールの感想(その2)


昨日のつづきです。

3.Coro. Siesta(女声20)
(F4 / 北川昇 女声合唱組曲「陽の中に」から 「花のゆくえ / なぎさ」)


指揮者は北川昇先生!
わたしの友人たちは「このプログラム誤植じゃね?(違)」(笑)と
文章にしづらいネタにして盛り上がっていましたが(笑)
自作自演という、めったに聴けない機会に立ち会う事ができました。

課題曲、第一声。若く、透明な歌声が広がってきます。
言葉にして誰にも話すことは無かったであろう、
立原道造の繊細でためらいがちな音世界。
この合唱団の持つ良い意味での若さと、言葉の持つ手触りが
とても良い形で融合されていたと感じます。

コンクール的にはきっと、
もっともっと練り上げられた声での演奏の方が強いのだろうけど
Siestaさんのナチュラルな歌声の中に、わたしはリアリティを感じます。
コテコテ感が無いからこそ、言霊の柔らかさが伝わってくる。
後半、ところどころピッチがフラット気味になったのが惜しいのですが
間の取り方に「上手さ」というよりも「ナイーヴ」という印象があって
フレーズの収め方にも十分配慮がある。
全体の構成力が落ちないように、指揮者とピアニストが全力でサポート。

自由曲、北川作品。
1曲目、課題曲から一転して穏やかでリズミカルなアカペラ曲。
2曲目、ハーモニックな部分からピアノ伴奏が入りダイナミックに。
ナチュラルで穏やかな歌声が、ここでもさりげなさを感じさせる。

音楽の構成力は何の文句もございませんm(_ _)m
強いて書くならば、もっともっと声を解放させる力強さも
声の色の種類として持てるといいなぁ、と感じました。
課題曲から自由曲まで通して聴くと、少し色が似すぎてしまっているかも。

すでに声は、十分に会場に拡がるだけの大きさと伸びやかさを持っているので
こんなにもこの曲に共感しているんだよ!!と
喜びを爆発させるだけのエネルギーを持った声が出てくるといいなぁ。
・・・いや、別に爆発はしなくていいんですけど(笑)
そういう要素を持っているけど、その刀は抜かない!というだけでも
声が熱を帯びた、全く違った音楽になると思うのです。

それでも、わたしはとても良い演奏だと感じました。
聴くところによると、随分と試行錯誤されて直前まで上手く行かない…
と悩んでおられたそうですが、全然そんな事は演奏からは感じなかった!
柔かな音のタペストリーを見るかのような、素敵な時間でした。


スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL