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全国コンクールの感想2010(その3)


いきなり中断してしまいました(涙)。
いろいろと他の事もやっているものですから…すみません。
という事でつづきです。3団体を一気に。


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4 鳥取大学混声合唱団フィルコール(混声71)
(G3 / 松下耕「鳥取讃歌」より「貝殻節」「湯かむり唄」)


指揮者の先生が沼丸先生になられてのフィルコールは
わたしは初めて聴きます。楽しみにしていました。

課題曲。
厚みのあるサウンドが静かに広がります。いい感じ。。。と思ったら。
出演順4番とはいえ、やはり朝早い本番というのは難しいものですね。
ピッチの下がり始めるパートが出てきて、ピッチキープしているパートとの綱引きに。
これは聴いていて少々苦しかったところでもあります。とても残念。
演奏の狙っている表現は筋道が通っていたと感じていただけに。

結局は、ピッチ修正しきれないまま本番になってしまったという事なのでしょう。
こういう時どうすればよいのか?というのは本当に難しい。
ピッチの違いの指摘を直前にしつこくすれば演奏が委縮してしまう。
さりとて、しない訳にも行かず…(涙)。
何とも苦しいところです。演奏の仕上がりというよりも、
わたしはそこら辺の指導者のジレンマを感じてウニウニしていました(涙)。
ピッチを戻すパートとかが、よく頑張っていただけに…。
本番は難しい。

いろいろ書きましたが、でもいい演奏だったと思うんです。
日本語のディクションと音楽の流れが一致した演奏で
演奏の構造的に説得力がありました。
サウンド感も柔らかさで統一してあるあたりがさすがです。
以前よりも合唱団としてまろやかさが増えた、そんな印象です。

自由曲。
1曲目、最初に波の音?カモメの鳴き声?おぉ!どうやら海辺らしいぞ…
という事はすぐに判りました。
1つリクエストするとすれば、波の音は少し鋭すぎます。
空気漏れの音に聴こえてしまう。

ヴォカリーズ部分の最初から、抒情的な音楽が流れるように歌われます。
これは耳が惹きつけられます。
演奏にディレクションがあって、音楽のサウンドの変化が素晴らしい。
楽譜が見てみたい。

2曲目、アタッカで入った?
テンポアップして歌われます。耕さんの作品、聴くのはとても楽しいけど難しいんです。
さすが、歌いこんでいるのでしょう、そういう隙さえ感じませんでした。
ダイナミックな場面変化や声色の使い方がとても立体的な演奏。
途中、クスクスと笑ってしまう場面まであって(笑)
手拍子や足踏みも入り、聴いていて楽しい作品でした。
いやーこれは、楽譜が見てみたい。

新しいフィルコールの演奏を十分堪能出来たと思います。
今後が本当に楽しみです。


5 福岡教育大学混声合唱団(混声55)
(G2 / 山本裕之「千年のウズラ」)


わたしの好きな合唱団♪
表現力があって洒落た雰囲気を作り出す事も出来る。
去年は聴けなかったので(エントリーしてなかったそうですね)今年楽しみにしていました。

課題曲。
明るいサウンドを基調として音楽を作ってくる福教大、
キリストの誕生の喜びを表現する音楽を作っていきます。
フレーズの歌わせ方は説得力があります。
ややパートの絡み方にいつも(過去と比較してすみません)とは違う隙を感じたような。
そしてこれは気になったのですが
ピッチが全体的に不安定だったのが残念でした。
音が収束していくポイントというのが不安定で
決めのハーモニーを決め切れなかったところを感じました。
音楽的な流れには説得力があるのですが…本番というのは難しいものですね。

自由曲。
委嘱作品という事で、当然初めて聴きます。
明るい音楽の前奏から始まります。
途中聴こえてくる「あじゃぱぁ」という声、これはウズラの鳴き声?
ウズラってこういう声で鳴くのですか?(無知)
今書きながら、思わずウズラの鳴き声で検索してしまいました。
世の中便利ですねぇ、ありますよ。
ウズラは結構大きな声で鳴くのだそうです。卵は小さいのに(笑)。

しかし全体的に言葉が聴きとりにくく、
どういう曲なのかを把握しきれないのが残念でした。
委嘱作品というのは難しいです。
作品そのものも、演奏評価の対象の一部になってしまう。
福教大の十分な表現力を感じつつも、今一つ感動しきれなかったのが少々残念でした。
声の伸びやかさは十分持っているから、表現の彫りの深さがもう少し欲しい気がします。
団体紹介に少しだけでも解説が載っていれば、さらに嬉しかったなぁ。。。


6 香川大学合唱団(混声50)
(G1 / 三善晃「地球へのバラード」より「夕暮れ」「地球へのピクニック」)


四国代表です。少々知り合いも混じってます(笑)。
うちの後輩を倒してここに来ているのだから、良い演奏をしてくれよオイ!
という、意味不明な聴き方をしていました。すみません。。

課題曲。
香川大は結構荒い演奏をする事が多かったのですが
何とも端正な音楽で初めてちょっとビックリ。
パート間のバランスもよいし、フレーズの結びつきも感じます。
んーずいぶん良くなった気がします。
もう少し、表現力が欲しいというか…ちょっとおとなしすぎな部分も感じました。
受胎告知の場面なのだから、もっと表現する何かがあってもよいです。

自由曲。
「地球へのバラード」は名曲です。
3年前の全国コンクール前日に、この曲を演奏した団体(笑)の練習を聴いて、
そのあと「一言お願いします」と言われて、何かしらを話ながら
わたしは号泣してしまったのですが(笑)
この、優しく胸に沁みてくる郷愁や温かさ、生きている喜びのような音は
長く歌い継がれほしいし、若者たちにぜひ歌っていってほしい。

さて香川大学、まず「夕暮れ」。
何とか懸命に音楽の構造を作り上げた…という感じだったでしょうか。
表現する、という部分にまで踏み込めていたか?は疑問です。
それは、曲の場面が変わっていくのに声のトーンは変わらなかったから。
楽譜通りの部分から踏み出して、音に感情をもっと乗せて欲しい。

「地球へのピクニック」
一転して演奏が元気になりました。しかしこの曲で元気にならない訳が無い(笑)。
少々乱暴ではありますが、これが今の彼ら自身の音楽なのでしょうね。
何度も繰り返される「ここ」という言葉、
これ1つに変化を付けるだけでずいぶんと違った演奏になるはずです。
直線的にならず、人間の感情表現の豊かさ(つまり曲線的)を
十分に音から感じられるように、耳を鍛えて欲しいと願います。


…そうそうそれと最後に、
香川大学は学生指揮者でした。
学指揮が全国コンクールで振る団体は本当に減っていますね。
先生が指揮すると、学生指揮では到達できない音楽性を体験できるという利点があり
学生指揮者だと、苦しみながらも音楽を作り上げる一体感を感じる事が出来る。
なかなか、どちらがいいとは言い難い部分だと思います。

それにしても学指揮が登場する機会は減っています。
部門改定がされると、学指揮では全国コンクールまでたどり着けない可能性もある。
だからこそ、せっかく全国コンクールという超大舞台に立つ事が出来たのだから
(このコンクールでは、たった3人だけですよ)
これを今後の人生の中でどういう風に生かしていくのか?
という事を考えて欲しいと思います。
そうそう誰にでも出来る事ではない、貴重な経験を次のチャンスに出来るのか?
楽しみですね。


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という事で、一気に3団体。
今のところ1日1団体ぐらいのペースですが
これだと完全に越年してしまいます。それは避けたい(涙)。
何とかしなければ…とは思いますが、うーん。。。


(つづく)


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Comment

初めまして
編集
初めまして。
鳥取大学混声合唱団フィルコールで合唱しています。
最近、よくせんぱくさんの日記を読まさせていただいています。
色々参考にさせていただいていますm(__)m

今回は、コンクールの感想を見させていただきましたが…
色々ありがとうございます。
松下さんの曲は楽譜が届いたときに私たちも「これ、どうやって歌うんだ??」という感じでした(汗;)
あと、今度楽譜が発売されるみたいなので、ぜひ、ご覧になってください。
また、もうご存知かもしれませんが、『鳥取讃歌』は今度、1/16にESTが宝塚ベガホールにて全曲演奏する予定です。
私的に、今回コンクールでは演奏しなかった「田植え歌」が一番好きなのでぜひ聞いていただけると嬉しいですね♪

最後のほうは、宣伝みたいになってしまいましたが…(汗;)
勝手にいつも見させていただいているので、あいさつまでにコメントさせていただきました。
大学合唱団にとってこのようなコメントは、とても重要だと考えています。
いつも、ありがとうございます。
2011年01月06日(Thu) 23:29












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