TOP ≫ ARCHIVE ≫ 2017年06月
ARCHIVE ≫ 2017年06月
       次ページ ≫

≪ 前月 |  2017年06月  | 翌月 ≫

わたしの好きだった演奏(その2)


わたしの好きだった演奏、久しぶりに。

明日はCANTUS ANIMAE の演奏会という事で、エールを送る記事です。

----

第40回全日本合唱コンクール全国大会
 1987年11月23日
  昭和女子大学人見記念講堂
 一般の部B 合唱団OMP
  恋のかくれんぼ (武満徹)
  交聲詩「海」 (三善晃)
   指揮 栗山文昭
   ピアノ 田中瑤子 浅井道子


今から30年前の全国コンクールでの演奏です。
この部門、全部聴いたはずですが、記憶に残っているのはOMPと豊中混声。
(ちなみに豊中混声は「芭蕉の俳句によるプロジェクション」を演奏)

まだ合唱初めて1年半ぐらいのわたし、何が何だか判らないままに行った東京で
強烈に記憶に刻み込まれたのが、OMPの交聲詩「海」の演奏でした。
昔は、今とはレギュレーションが違っていて、「海」も全曲演奏が可能だったのです。
(当時は「課題曲+自由曲=12分以内」という規定でした)

まず何に感動したかというと、課題曲の音取りに。
田中瑤子先生が、武満徹「恋のかくれんぼ」の音取りをした時に
その音でわたしはシビレて呆然としてしまった。

音取りなのに、そこに次に始まる(と思われる)音楽の息吹が聞こえる。。

果たして、胸の中から甘酸っぱい憧れが込み上げてくるような「恋のかくれんぼ」の演奏。
何と密度の濃い演奏なのだろう。。。

そして交聲詩「海」の演奏がはじまる。

2台ピアノのたゆとう音楽の流れから、壮大な音楽が流れだす。
初めて聴いた曲なのに音の中から、海が力強くしぶきを上げる様が見えてくるかのよう。
場面が変わり、音楽がダイナミックな躍動を始めて、巨大な荒波に客席が飲まれていく。
何ものにも媚びることなく厳然と存在する海、
しかしすべてのものを包み込むほどの大きな懐を持つ海。

海の持つ様々な景色と色が音楽の中から弾け出し
ただただ圧倒されながら。

そして終楽章。
巨大な破壊と苦しみの音が混じり合い、聴いていて苦しさを感じるほどに。
その苦しみの向こう側に、地球と命が高らかに叫び呼ばれ
最後の最後に、まさに海と化した客席をすべて包み込むかのような
ソプラノHiCの入った超シンプルで巨大ななCdur・・・。

その時の客席は、HiCの音が鳴っている時、つまり演奏が終わる前に
まさに海のごとく会場中から大拍手が湧き上がったのです。
圧倒的、これこそがまさに圧倒的。

信じられないような、まさに今目の前で起こった奇跡を聴くという音体験をしたわたしは
文字通り、茫然自失の状態でした。。

確か、7番目のOMPのすぐ後が休憩だったんじゃないかな??
客席がずっとザワザワとし続けていた記憶が何となくあります。
果たしてどうだったのか。。

----

交聲詩「海」という名曲が生まれて、あれから30年経ちました。
明日、30年を経て「海」は歌声によってまた命を得ます。

音楽って不思議ですね、この曲は30年前の作品ですが
30年前も明日も、間違いなく「今この瞬間に生まれた音楽」なのですよね。

明日が素晴らしい演奏会となりますように願っています。

スポンサーサイト