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ラッススの課題曲


ラッススという作曲家は昔から大好きなのだ。

軽やかで自由さを感じるというのもその理由の1つ。
フランス北部、ベルギー、オランダ辺りは「フランドル地方」と呼ばれ
文化的な先進地だったそうだが、ラッススはそのフランドル地方の出身である。

ラッススと同時代の作曲家パレストリーナとの違いは
モンテヴェルディほどではなくも、ラッスス作品は劇的な表現の音楽であること。
パレストリーナの穏健な音楽の中には、驚くような深さがあるのだけど
ラッススの場合は、それがもっと前面に押し出され、自由に表現されている感じ。
すでに、バロック時代への橋渡しがはじまっている印象がある。

今年の課題曲G1となっているAdorna thalamum tuum Sionについて
新約聖書ルカ伝の中にある、シメオンの賛歌と呼ばれる部分が題材となっている。
楽譜を見ると、やはり自由さと共に実に劇的な音楽表現が感じられる。

この曲は冒頭から畳みかけるように開始され、豊かに世界を彩っていく。
やがて、動的な場面から静的な場面へ物語は移っていき
シメオンの腕の中のイエスに楽曲全体がフォーカスされる。
そのシメオンによって語られる予言めいた言葉から
その後、1000年以上もの長きにわたりもたらされる福音が
繰り返し歌われるポリフォニーとなって豊かに表現されている。

うーん、名曲。。。

何が素敵かと言うと、
動的な音がやがて一点に集中されていく過程が見事に音楽で表現され、
その一点からフィナーレに向けて、音楽が劇的な拡がりを持っているという事。
何とドラマチックな音楽なのだろう。
まるで巨大な遠近法の劇的な宗教画を見ているようですらある。

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個人的にただ1つ残念なのは、これだけ深いラッスス愛を語りながら
わたしは、今年はこのAdorna thalamum tuum Sionをほとんど練習しないこと(泣)。
それでもどこかで歌いたい!と思っているので
不定期で開く「ラッスス会」で取り上げることを考えている。
(第2回目はいつになるだろうか・・・)

今年の課題曲(混声)は4曲とも素敵な曲が揃っていて
個人的には、近年稀に見る豊作の年だと思う。
プーランクも三善も公募作、どれもがとても素敵なのだけど
Adorna thalamum tuum Sionの名演をぜひ聴きたいと思っている。

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