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わたしの好きだった演奏(その2)


わたしの好きだった演奏、久しぶりに。

明日はCANTUS ANIMAE の演奏会という事で、エールを送る記事です。

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第40回全日本合唱コンクール全国大会
 1987年11月23日
  昭和女子大学人見記念講堂
 一般の部B 合唱団OMP
  恋のかくれんぼ (武満徹)
  交聲詩「海」 (三善晃)
   指揮 栗山文昭
   ピアノ 田中瑤子 浅井道子


今から30年前の全国コンクールでの演奏です。
この部門、全部聴いたはずですが、記憶に残っているのはOMPと豊中混声。
(ちなみに豊中混声は「芭蕉の俳句によるプロジェクション」を演奏)

まだ合唱初めて1年半ぐらいのわたし、何が何だか判らないままに行った東京で
強烈に記憶に刻み込まれたのが、OMPの交聲詩「海」の演奏でした。
昔は、今とはレギュレーションが違っていて、「海」も全曲演奏が可能だったのです。
(当時は「課題曲+自由曲=12分以内」という規定でした)

まず何に感動したかというと、課題曲の音取りに。
田中瑤子先生が、武満徹「恋のかくれんぼ」の音取りをした時に
その音でわたしはシビレて呆然としてしまった。

音取りなのに、そこに次に始まる(と思われる)音楽の息吹が聞こえる。。

果たして、胸の中から甘酸っぱい憧れが込み上げてくるような「恋のかくれんぼ」の演奏。
何と密度の濃い演奏なのだろう。。。

そして交聲詩「海」の演奏がはじまる。

2台ピアノのたゆとう音楽の流れから、壮大な音楽が流れだす。
初めて聴いた曲なのに音の中から、海が力強くしぶきを上げる様が見えてくるかのよう。
場面が変わり、音楽がダイナミックな躍動を始めて、巨大な荒波に客席が飲まれていく。
何ものにも媚びることなく厳然と存在する海、
しかしすべてのものを包み込むほどの大きな懐を持つ海。

海の持つ様々な景色と色が音楽の中から弾け出し
ただただ圧倒されながら。

そして終楽章。
巨大な破壊と苦しみの音が混じり合い、聴いていて苦しさを感じるほどに。
その苦しみの向こう側に、地球と命が高らかに叫び呼ばれ
最後の最後に、まさに海と化した客席をすべて包み込むかのような
ソプラノHiCの入った超シンプルで巨大ななCdur・・・。

その時の客席は、HiCの音が鳴っている時、つまり演奏が終わる前に
まさに海のごとく会場中から大拍手が湧き上がったのです。
圧倒的、これこそがまさに圧倒的。

信じられないような、まさに今目の前で起こった奇跡を聴くという音体験をしたわたしは
文字通り、茫然自失の状態でした。。

確か、7番目のOMPのすぐ後が休憩だったんじゃないかな??
客席がずっとザワザワとし続けていた記憶が何となくあります。
果たしてどうだったのか。。

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交聲詩「海」という名曲が生まれて、あれから30年経ちました。
明日、30年を経て「海」は歌声によってまた命を得ます。

音楽って不思議ですね、この曲は30年前の作品ですが
30年前も明日も、間違いなく「今この瞬間に生まれた音楽」なのですよね。

明日が素晴らしい演奏会となりますように願っています。

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わたしの好きだった演奏(その1)


合唱を始めて30数年、いろんな演奏を聴いてきました。
大学合唱団で合唱を始めたから、というのもあるかもしれませんが
必ずしも「上手な合唱でないとダメ!」とは思っていません(苦笑)。
音楽の向こう側に生き様が見えると思っているので
しっかりと血の通った音楽に聞こえることが大切だと思っています。

という事で、自分がどんな演奏に心震わせてきたか?を
思い出しながらボツボツと書いてみたいと思い立ちました。

遠い記憶のかなたではありますが、まずは最も古い記憶から。。。

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昭和61年(1986年)11月
第39回全日本合唱コンクール全国大会(松山)
 一般B部門
  京都アカデミー合唱団

プログラムを持っているはずなのだが、どこへ行ったのか。。泣

この年は全国コンクールが松山開催という事で、
大学1年生だったわたしは自転車をこいで全国コンクールへ行きました(笑)。
今思えば、実に恵まれていた。
愛媛大学合唱団は、土曜日の大学部門に出演、銅賞を獲得。
とはいえ、他大学の演奏は全く聴けず、よく判らないまま。

この頃は中学校部門が無く、高校部門は金曜日、大学・職場部門が土曜日、
一般A部門B部門が日曜日、という3日連続開催でした。
もっと良く知っていれば、高校部門を聴きに行っただろうに。。愚

またこの年の課題曲は、G1がパレストリーナのSuper flumina Babylonis、
G2がブルックナーのChristus factus estという選曲で
合唱団京都エコーがこの2曲を課題曲と自由曲に選んだ年でした。

コンクール3日目日曜日は、わたしはドアマンとしてコンクールのお手伝い。

京都エコーという団体がとてつもなく凄いらしい、という話は聞いていて
その出演順の時は、誰もがドアの中ドアマンをしたがっていた(笑)。
わたしは運悪く外番。。。

どういう演奏の順番か忘れましたが
中に入って聴けたのが、京都アカデミー合唱団の演奏。
課題曲で何を歌ったか?は記憶に無いのですが
自由曲の演奏で心奪われました。

流麗かつ立体的な音楽が、ステージ上から聴き手に迫ってくる。
当然初めて聴く知らない曲なのですが、こちらへ語りかけてくる。
ソロもメチャメチャ上手くて、女声のステージ衣装も大人っぽくて、
何よりも演奏がとにかく美しくて、食い入るようにステージを見つめていた記憶があります。

あとで調べたらその演奏は
ドビュッシー作曲「シャルル・ドルレアンの3つの曲」
という事を知りました。
(追記:H29.6/10 
 コメントをいただきまして、どうやら記憶違いだったようです。
 ドビュッシーではなく、ラヴェル作曲「3つのシャンソン」が自由曲だったとか。
 プログラムを発見して確認すればよかった。。。orz)


演奏を聴き終わった後は、余りの衝撃に無口になってしまい。

その後は、会場外側ドアマンをしながら
合唱音楽の果てはとんでもない世界がある・・・
と考えていました。
そうしていると、バーバー作曲「Agnus Dei」が聴こえて来たり。

へぇ、弦楽のためのアダージョには合唱版があるのかーと
ちょっとビックリした記憶もあります。
それは、神戸中央合唱団の演奏でした。

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でも一番びっくりしたのは結果発表があってから。
自分が無口になってしまうぐらい心動かされて、
「合唱音楽の果てはとんでもない世界がある」と思ったあの演奏が
何と「銀賞」だったのです(大汗)。

えーーーーなんでーー!!!信じられない!!
京都エコーがすごいのは知ってるけど(笑)。

何と、とんでもない世界の果ての向こうに
まださらにとんでもない世界があるらしい。。。
ぼーぜん・・・( ゚ ρ ゚ )ボー

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あれから30数年、もし今その演奏を聴けば全く違った感想を持つだろうし
結果が銀賞だったからと言って、他の演奏の上下があるとも思わないですが
あの演奏に衝撃を受けたのは間違いない。
何も知らなかった自分の、最初の大きな原風景。

ラッススの課題曲


ラッススという作曲家は昔から大好きなのだ。

軽やかで自由さを感じるというのもその理由の1つ。
フランス北部、ベルギー、オランダ辺りは「フランドル地方」と呼ばれ
文化的な先進地だったそうだが、ラッススはそのフランドル地方の出身である。

ラッススと同時代の作曲家パレストリーナとの違いは
モンテヴェルディほどではなくも、ラッスス作品は劇的な表現の音楽であること。
パレストリーナの穏健な音楽の中には、驚くような深さがあるのだけど
ラッススの場合は、それがもっと前面に押し出され、自由に表現されている感じ。
すでに、バロック時代への橋渡しがはじまっている印象がある。

今年の課題曲G1となっているAdorna thalamum tuum Sionについて
新約聖書ルカ伝の中にある、シメオンの賛歌と呼ばれる部分が題材となっている。
楽譜を見ると、やはり自由さと共に実に劇的な音楽表現が感じられる。

この曲は冒頭から畳みかけるように開始され、豊かに世界を彩っていく。
やがて、動的な場面から静的な場面へ物語は移っていき
シメオンの腕の中のイエスに楽曲全体がフォーカスされる。
そのシメオンによって語られる予言めいた言葉から
その後、1000年以上もの長きにわたりもたらされる福音が
繰り返し歌われるポリフォニーとなって豊かに表現されている。

うーん、名曲。。。

何が素敵かと言うと、
動的な音がやがて一点に集中されていく過程が見事に音楽で表現され、
その一点からフィナーレに向けて、音楽が劇的な拡がりを持っているという事。
何とドラマチックな音楽なのだろう。
まるで巨大な遠近法の劇的な宗教画を見ているようですらある。

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個人的にただ1つ残念なのは、これだけ深いラッスス愛を語りながら
わたしは、今年はこのAdorna thalamum tuum Sionをほとんど練習しないこと(泣)。
それでもどこかで歌いたい!と思っているので
不定期で開く「ラッスス会」で取り上げることを考えている。
(第2回目はいつになるだろうか・・・)

今年の課題曲(混声)は4曲とも素敵な曲が揃っていて
個人的には、近年稀に見る豊作の年だと思う。
プーランクも三善も公募作、どれもがとても素敵なのだけど
Adorna thalamum tuum Sionの名演をぜひ聴きたいと思っている。

春こん。クラシック・現代音楽部門(2/26)に出演します


今週末の2/26(日)Chorsal《コールサル》は、
東京語合唱連盟主催のヴォーカルアンサンブルコンテスト
「春こん。」クラシック・現代音楽部門に出演します。
場所は「浜離宮朝日ホール 音楽ホール」(東京都中央区築地5-3-2)
出演予定時間は13:35~13:43、混声部門7番目となります。

10年ほど前にも東京のアンコン、、、その当時はTVECという名称でしたが
2年連続で出演したことがあります。懐かしい。。。

今年に入ってからChorsal《コールサル》は、広島県アンコン、愛媛県アンコンと
2つの本番を行いました。今週末がいよいよ3つ目、最後のアンコンとなります。
もちろん狙いがあって3つも出演しているのですが、それについてはまた後日書くことにして
まずは、全員ちゃんと東京の地へ到着して本番に乗れるのか・・・?という情勢です(泣)。

この季節は、やはり体調管理が難しいですね。
現在も、2人の出演予定メンバーがインフルエンザで寝込んでいます。
今週末には復活予定という事で、とりあえず一安心ではありますが
仕事の調整が大変になるだろうなぁ。。。(心配)
今回は総勢13人での出場ですので、1人でも欠けるとかなりアブナイ。。。

出演される各団体の皆さまも、体調管理にはお気を付けください。
素敵な演奏をする団体たちの中で、精一杯演奏してまいります。

「コーラス・どーなっつSUN」が終わりました(その1)


2016年10月8日~10日、中国・四国地方の大学合唱団の交流・勉強を目的とした
第3回目のコーラス・どーなっつ、「コーラス・どーなっつSUN」が行われました。
国立山口徳地少年自然の家でのリハーサルキャンプ、
防府市公会堂での演奏会を行い、135人の若者たちがステージに立ちました。

参加した合唱団は以下の通り。

山口大学混声合唱団(山口県)
広島大学合唱団(広島県)
広島大学東雲混声合唱団パストラール(広島県)
安田女子大学合唱研究会VividNova(広島県)
就実大学・就実短期大学グリークラブ(岡山県)
島根大学混声合唱団(島根県)
香川大学合唱団(香川県)
徳島大学リーダークライス(徳島県)
合唱団ぽっきり(広島県)
合唱団そうなそ(山口県)
Chorsal《コールサル》(愛媛県)

合計11団体。一大イベントとなりました。

わたしは昨年に引き続き、この大イベントに講師の1人として参加してきました。
28歳以下という年齢制限があるイベントですので、おっさんとしてはありがたい限りです。
他2人の指揮者は、
今や日本を代表する大合唱団となった
佐賀県のMODOKI指揮者である山本啓之先生、
広島県で、合唱団ぽっきり、室内合唱団零など多くの合唱団の指導し、
このイベントの最初の発起人でもある縄裕次郎先生です。
また客演ピアニストとして昨年に引き続き、
佐賀県で活動する鈴木めぐみ先生をお呼びしました。

合宿中では、3人の講師による「発声講座・指導者講座・外国語作品講座」が開かれたり
「実践指揮法講座」と題して、3グループに分けた中から希望者が指揮者として立候補し
それぞれにアドバイスを行った後、3日目の演奏会で指揮する指揮者を選ぶ、という
「小さな指揮者コンクール」的な講座もあったりしました。

それは、次世代を担う指揮者を育てるという意味合いと
学生指揮者のレベルアップを通じて、
大学合唱団自体に還元することを目的として行われています。

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演奏会では、最終ステージで3人の講師がそれぞれ1曲ずつ選曲し
リハーサルキャンプを通じて練習、演奏会での本番を行いました。

Christus factus est(A.Bruckner) 指揮 山本啓之
群青(小田美樹)           指揮 縄裕次郎 ピアノ 鈴木めぐみ
生きる(三善晃)            指揮 大村善博 ピアノ 鈴木めぐみ

3日間のリハーサルキャンプですが、実質2日の合宿、
その中で数々の講座や交流会(飲み会)もあったりするので
1曲あたりの練習時間は2時間半程度となります。
時間のやり繰りが極めて厳しい中を、大学生たちはよく歌ったと思います。
特に、無伴奏の難曲ブルックナーを指揮した山本先生は素晴らしい。。。

(つづく)

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